冷酷系女子



自分の気持ちに気付いた

そらも、早瀬さんが好きだと認めた

もやもやとしていたことがすっきり晴れて、気分がいい



そのままの気分で帰ろうと玄関にいくと

あたしの靴箱の前には、早瀬さんがいた。



「あっ、百合ちゃん…!」



早瀬さんの手には沢山の紙くず

ドジな早瀬さんの手からこぼれた紙を1つ拾ってひらくと、まるい女の子の字で、死ねとかブスだとか、汚い言葉が並んでた。



「あのっ、これは…」



あたしに読まれて動揺する早瀬さん




「わかってる、早瀬さんが書いたものじゃないって」



彼女は、それを気にして動揺してたのだろう。

あたしは靴を履いて、黙って早瀬さんの横を通り過ぎる…

けど、早瀬さんが物凄い力であたしの腕をひいて、それをさせなかった。



「待って!百合ちゃん…!あの、わたし……」



今までのあたしなら、面倒だと言って無理矢理腕を振り払って帰っていたはず

それをしないのは、なぜ?



「わたしね、そらに言われたの
なんでも諦めてばっかりじゃなくて、ほんとに大事なものは諦めるなって
わたしあの日、百合ちゃんがわたしにひどい目にあわないように、あんなこと言ったんだって思ってる…」



そら…

あたしには、早瀬さんに構うななんて言いながら、早瀬さんにはあたしのこと諦めるなって?

矛盾してる



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