冷酷系女子
8.嘘、ほんとの告白
「別に好きって気づいたからって何か変わるわけでもないし、むしろ前と何も変わんないし」
ある日そらが、そんな事を口にした。
そういえば、あたしってそらが好きなんだ。
でも、その次って何をしたらいいのだろう、なにが始まるのだろう。
そらが言うように、何も、変わらないのだろうか…。
それが、恋…?
「颯、これ返す」
それは一応あたしの先生
颯に聞くしかない。
「あれ、なんだっけこれ」
借りた、というか無理矢理渡された少女漫画を颯に返却すると、彼は忘れていたのかぽけーっとして頭を掻いた。
「何って、"まいまい"の漫画でしょう?」
「あー!そうだ!!そうだったね」
確実に忘れてたでしょう、今。
「そういえばそらが好きなんだけど、次はその後どうしたら良いのか具体的に教えてもらおうと思って」
「 え、そらが好きって、え、百合ちゃん、結城!?」
「あぁ、確かそんな名字だったわね」
しばらく呼んでいないから、忘れてた。
「でもそっかーやっぱ結城かー
ま、なにはともあれおめでとう!!」
颯がポンッとあたしの肩に触れる
何がおめでとうなのかはわからないけれど、なぜだか悪い気はしない。
「でもそっかー、百合ちゃんに好きな奴出来たなら、俺にはもう教えられることねーや」
「どういう事?」
「実は俺さ、女の子好きになれないんだよ」