冷酷系女子



しばらく彼女に連れられて人気のない所につくと、ドンッと背中を押され、ある一室に入れられた。



「あんたなんか一緒そこにいろバーカ!!」



子供のような捨てゼリフを吐き、佐々木さんは部屋の鍵を閉めて去っていった。

全く…ここの学校の鍵の管理は一体どうなっているんだろうか。

まさか、閉じ込められるだなんて…



ーガサッ



「……………」



部屋の奥の方から音がした。

よく見るとあまり使われていない教室みたいで、すごく汚い。

ネズミでもいるのかしら

そう思っていると、音がした方からマスクをした人が歩いてきた…

なんだ、人がいたの。



「すげーな…ビンタされたり、罵声あびせられたり、今回は…監禁?」



マスクをしているせいか、こもった声

でも整った顔は相変わらず



「そら、なんでいるの」

「授業中寝てたら罰掃除しろって山重が、意味わかんね」



そう言うとそらはマスクをはずして、近くの適当な丸いすに座る。



「素直に掃除なんかするキャラだったの、あなた」

「まぁね」

「ふぅん……」

「………」



あれ、あたしって

あたしたちって、いつも屋上で何を話していたんだっけ?

何も話していなかったっけ?

場所が違うだけで、落ち着かない。



「あ、彼女、あたしを閉じ込めた佐々木さん
あたしがそらのこと好きみたいに、颯のこと好きみたい
あたしが颯に近づくのが気に入らなくて嫉妬したみたい」

「へー、そう」



……あれ?今って…



「"へー、そう"って、ダジャレ?」

「は?そんなキャラだっけ俺、ただの相づちだけど」

「あ、そう」

「自分も言ってるし」



そらが少しだけ笑った。










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