冷酷系女子
「ひどいよそらー!!!最低だよ!!!
女の子の一斉一代の告白に対して"無い"だなんてー!!!」
早瀬さんが屋上に乗り込んで、第一声がそれだった。
「は?告白?」
「学校一のクールビューティー月島百合ちゃんに好きって言われたでしょー!!?」
久々にその呼ばれ方は、なんだか恥ずかしいんだけど…。
一人熱くなっている早瀬さんに、そらは全然訳がわからないような顔をしている。
それからさっきの出来事を思い出したのか、あたしの方を見た。
「あ、…え?さっきのマジなの?」
「百合ちゃん冗談言う子じゃないでしょー!!?素直に平気で冷たいこと言っちゃう子なんだからー!!!」
早瀬さん、間違ってはいないけれど
それは本人の前で言うべきセリフではないわ。
「いや、月島サンが俺のこと好きとかあり得ないでしょ、っつー意味だったんだけど。」
あぁ、だから"無い"だったのね。
まぁ、とりあえずスッキリ。
「なんでそーなるわけー!!?」
あたしは理由が知れて満足なのだけれど、早瀬さんはそうではないらしく、まだ熱いまま。
「いや、だって俺好きなのお前だし」
「…………え?」
「月島サンもそれ知ってるし」
「……………え?」
早瀬さんは、固まった状態で首だけをあたしに向ける。
「知ってるけど」
あたしは小さく頷いた
「えーーーー!!?」