冷酷系女子



「…月島サンってさ、最初ただの顔だけ女だと思ってたけど」



なによ、ズバズバ言うのね



「今の月島サンなら、ちゃんと好きになってくれる奴いるんじゃねーの?」



…何それ、どういう意味。

相変わらず、口だけは笑ったままでそらが続ける。



「あー、ほら、あいつ、チャラ男
橘とかさ、仲いーじゃん」



なぜ、そらが颯をすすめるの。

ついさっきまで舞い上がっていた気持ちが、一気に下降する。



「そらは…あたしが面倒臭い?」

「は?」

「こういうの、迷惑?」



こんな台詞をはく女性には、なりたくなかった。



「…正直よくわかんねー」



そらが、目を反らす。

あなたがわからないのなら、教えてあげる。



「きっと、あたしのこと面倒だから他の男に押し付けようって思ってるのよ」

「…………」



否定、しないのね。



「わかった、やめるわね」



最初から、あたしらしくない事をしているのはわかっていた。

そらにはそんなあたしが迷惑だったんだ

きっとそらのことを見てきゃーきゃー言っている女の子達と、あたしは変わらなかったんだ。

気づいたらあたしは、なりたくなかった人間になっていたみたい。


< 81 / 119 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop