冷酷系女子
「しっかしまーなんで男も女もさ、人の外見にしか興味もたないんだろーね」
いつものように、へらへらと笑いながら颯が言う。
「そんなこと、ないんじゃない?」
まぁ確かに、もしかしたらあたしがよく告白をされるのには外見のせいもあるかもしれないけれど
でも、だからといって世の中のみんな全てがそうとは限らない
「そんなことあるよ
百合ちゃんさぁ、今の男子って話したことある?
自分の性格を好きになって告白してくれたと思う?」
「……それは…」
きっとあたしが覚えていないだけで、話したこと…あるかもしれない。
けれど、もし話したことがあったとしても、あたしのこの性格を好きになってたなんて考えにくい…
「ほらね
それに結局、百合ちゃんだって結城みたいな男前が好きなんじゃん」
「なに、その言い方
別に顔が好きでそらを好きになったんじゃない」
「もし同じ状況で結城が男前じゃなくても、百合ちゃんは同じ様に好きになったのかな?」
そらが今のそらじゃなかったらなんて、考えたこともないし、考えつかない。
全く想像ができない。
そんなの、わかるわけないじゃない。
今のそらが、そらなんだから
それより…
「どうしたの、颯」
いつものチャラチャラ適当な颯じゃない気がした。
「美人のくせに、自信ない百合ちゃんが腹立つ」
まさか、颯の口からそんな言葉が出てくるだなんて思わなかった。
きっと今のあたしは、目をまるくして彼のことを見ているんだろう。