冷酷系女子
あ、でも早瀬さんがいるか
まぁ早瀬さんに話したところで、彼女は彼を軽蔑したりするような人ではないし
「うん、ありがと」
あぁ、やっぱり笑顔なのね
「でも、もう言わないよ今日みたいなこと」
「そう、それはそれでいいんじゃない?」
毎回毎回あたしだってイライラするのは御免だし。
「でもさいっつも、深いとこまではさ聞かないよね百合ちゃんて
俺に興味ないみたいでさみしーなー」
それは、いつか自分から話すだろうなと思っていただけで
聞いても良いのなら…
「聞いて欲しいの?」
颯に聞くと、彼はハハッと笑って、話し始めた。
「ずっりーな、その言い方」
なんだ、聞いて欲しかったんじゃない
「俺さ、前にちょー好きな子がいてさ、そこそこ仲も良くて
告っちゃおっかなーとか考えてたんだけど、でも、その子が女子たちで俺のこと話してんの聞いちゃったんだよ」
始めは、俺のこと話題になってるとか、ちょっと浮かれてたんだけどさ
『ねぇ橘って絶対凛のこと好きだよね』
『でもさでもさ橘ってさ、性格は良いけど顔が惜しいよね』
『わかるー!もし付き合ってデートしたりしても隣歩かれたくないよね』
『カッコつかないってゆーかさ、自慢できないよね』
なんか、結局顔かぁって
そんで、一緒んなって話してるその子にも幻滅しちゃって
「で、見返してーなぁって思ってさ
今の人気者颯くんに変身したわけっすよ」
「人気者って、自分で言う言葉じゃないと思うわ」