冷酷系女子
「ねぇ清香、今日の帰りまたパフェ食べに行こっか」
「あ、うんっいいね」
「うちらまた金欠でさぁ、清香いっつもオゴってくれるから助かるー」
後ろでザワザワと声がする。
さっきの、早瀬さん達だ。
「あ、そういえば今日ナオ日直なんだった!めんどくさいからさぁ、清香やってくんない?」
「うん、いいよ」
「あ、ついでにあたしの宿題やっといてくんないかなぁ清香頭いーしさ」
「うん、まかせて」
はぁ…彼氏がバカだと彼女もバカなわけ?
なんにでもへらへら笑って頷いて、あなたいいように使われてるのに、気づいてないの?早瀬さん
まぁ、あたしには関係ない
あたしには彼女をかばう理由も、教えてあげる義務もないんだから
「おいおい君らー
そんなん自分でやんなよー」
柔らかい、男の声が響く
「清香ちんが優しくてなんでも引き受けてくれるからって甘えすぎはだめだぞー」
「颯っ!!!」
一瞬後ろを振り返れば、へらへらと笑う男が早瀬さんの隣にいる女の子達と肩を組んでいた。
へぇ、バカな女をかばうお人好しもいるのね
「ってあ、ラッキーぃ
朝からクールビューティー百合ちゃん見ちった」
男はあたしと目が合うと、自分の目元で親指と人差し指で丸を作ってニッと笑った。
「なにー、颯も月島百合が好きな訳?」
「あっは
俺はかわいー子みんな好きー
ナオちゃんもマユマユもね」
………お人好しの、バカ男。