悪魔なあいつ


二人共、うちの学校のあまり格好いいとは言えない制服をなんなく着こなしていて、正に華だ。私、こんな奴らと歩いてたのか……。またまた平凡から遠のいた気がして、肩をガクっと落とした。同時にチャイムが鳴って、先生が入ってきた。


「はーい、席付けー。」


先生の言葉に従ってみんながそれぞれの机に戻ると、悪魔と天使だけが取り残された。


「みんな知ってるだろうが、この二人が今日からクラスの一員になる。はい自己紹介」


自己紹介?私は悪魔です、天国から来ましたってか?そんなことを想像すると、思いの外面白い気がして、一人で吹いてしまった。悪魔が不思議そうにこちらを見ている。


「んじゃ、俺から。天峰濯兎(あまみねたくと)。趣味は女の子とお話することやな~。よろしゅう」

「僕は、高見原遙(たかみはらよう)。仲良くしてもらえると良いな……。」

< 21 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop