居場所
どうやらぁたしは1番重要だろう項目には間に合ったようだ。


『それでは1組から出席番号順に名前を読み上げます。呼ばれたら即座に返事をし､立ち上がって下さい｡』


大きな体育館に新入生と先生しかいないこの空間に少し慣れてきた皆とは違い､クラスも何組か分からず､（まぁ前から３列目だから多分３組だろう。）キョロキョロしていると､前の椅子に同じ中学校出身の子がいた。


『ねぇ、ちょっと！ゆりかﾁｬﾝ！！』


彼女の肩を少し控えめにたたき小声で､この空間をどうゆう気持ちで過ごしているのかを言い合いたかった｡


だがゆりかﾁｬﾝはそれどころではなかった。


『しー！あそこの先生が睨んでるよ！！』


こっちを見ないでゆりかﾁｬﾝは､もうすぐくるだろう自分の名前を呼ばれる瞬間の為に喉の調子を整えている。


そしてぁたしはえっ？と思い『あそこの先生』を目で探す。


まぁ言わずとも分かるだろう。


司会をしている女の先生だった。
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表紙・目次

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