カレシ

あたしが乗って、車が走り出した。

「ゆいちゃん何したい?」

先輩が聞いてくる。

ぶっちゃけ先輩といれるなら、何でもよかった。

でもまきと相談して、行きたい所は決めてたんだ。


「あたしね、暗くなったら夜景見に行きたい!」


そう、まきと相談して決まった所は"夜景のスポット"。


それなら近くにあったし、いいムードにもなるかもしれない。

「可愛らしいこと言うな、えーよ、ちょっと遠くなるけどええとこ知っててんで。連れてったる」

「ん?近くの山でいいよ?」

「せっかくや、凄いの見せたいやん?」

先輩はそう言うと、頭をなでてくれた。

一気に神経がなでられている所に集中していく。

「うっうん」

そう答えながら、ちょっと固まってしまった。


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