カレシ
「俺な、今まで二人としか付き合うたことないねん」
「えっ嘘!?」
「ほんまほんま。あんまり好きな子とか出来ひんタイプやからな」
「そーなんだ、意外」
「あはは~よう言われる。俺ってチャラそうかな?」
あたしはちょっと迷うと、素直に
「ちょっとね」
と答えた。
正直、ちょっとチャラそう。
それにかっこいいし尚更。
「やっぱりかー」
と肩を落とす先輩。
「俺な好きになりにくいねんけど、好きになったら一途やねん」
「いい男の鏡だね、それ(笑)」
「ほんまやって!一人目はな、地元におる時やってんけど、こっち来るまで3年間付き合うててんで」
「っ3年!!?長!!」
「やろ?まあ俺がこっち来てしもてから自然消滅してまったけどな」
「そっかー、…二人目は?」
「んー?二人目はな、こっち来てからやでまあ半年ちょいかなあ」
「なんで別れたの?」
「そやな~、なんか色々うるさい奴やったからなんか冷めてしもた」
「へ、へぇ~…二人共タメ?」
「いや、二人共年上や」
…年上!?
「先輩年上が好きなの…??」
「年上ゆうても、一歳二歳の差やで(笑)」
そっかぁ~と答えながらも、ちょっとショックだった。