カレシ
車の中でおしゃべりをしていたら、夜景スポットまでの遠い道のりも、あっという間に感じた。
すごい山奥の、人気のない所。
車はどんどん山道を登って行く。
家の近くの山なんて、比じゃないくらい高い山で、だんだん耳がおかしくなってくるくらいだった。
「ゆいちゃん、ここら辺からちょっと目ぇ閉じててみ」
先輩が言う。
「なんで?」
と聞くあたしに
「えーから(笑)」
と促す先輩。
あたしはうなずくと目を閉じる。
その間にもどんどん山道を登って行くのかわかった。