カレシ
本当の彼女
あたしが目を覚ましたのは昼過ぎ。
寝転んでいると、勝手に記憶がよみがえってくる。
思い出したくなんかないのに。
大学になんか、行くつもりはなかった。
恭くんと顔を合わせたくなかった。
"まんまと騙された"
それが恥ずかしくて仕方なかった。
一人で浮かれて、バカみたい。
ケータイに目をやると、まきからメールが届いていた。
読んではみたけど、返す気にならない。
心配してくれてるのに…
ごめんね、まき。
昨日1日で、天国と地獄を味わったあたしの心はひどく疲れていたんだ。