カレシ
「ゆい、今日はもう帰ろ…?
明日また来るからちゃんと明日話し合おう?」
明日…
もしもうこのまま連絡が取れなくなったらどうするの…
でも良くん明日もバイトだし、
このままだと嫌われちゃうかもしれない…でも…
なかなか分かったと言わないあたしに良くんはため息をつく。
「絶対来るから…バイト行く前もメール入れるよ」
ため息をつかれたことがすごいショックだった。
良くんはもうめんどくさがってるのかもしれない。
だから…
「絶対…絶対明日来てくれる?」
消えるような声しか出ない…
もう声を出すことすら辛い。
「あぁ…」
「…分かった、また明日ね」
良くんの方を見ても
こっちを見てくれようとはしなかった。
力が入らない。
のろのろと車を降りる。
ドアを閉めると、良くんはすぐ車を出してしまった。
あたしは立ち尽くして、車が遠くなっていくのをボーっと見つめる。
車が見えなくなっても、しばらくそのまま動けなかった。