カレシ
講義が終わったチャイムが聞こえた。
あたしはかばんとまきのことを思い出す。
「あっ!!講義室戻らないと!」
あたしはそう言うと、急いで立ち上がった。
「俺もついてくで」
恭くんも立ち上がると、二人で講義室に向かった。
二人で講義室に着くと、まきも恭くんの友達…大輔先輩もこっちを見ながら笑っていた。
「何ニヤついてんねん気持ち悪っ」
「うわ~お前俺にそんなこと言っていいの?感謝されたい気分なのに」
"ね?ゆいちゃん?"と大輔先輩があたしに言う。
「何やねん!お前ゆいちゃんに変なこと言うたやろ!?」
さあね~と答える大輔先輩。
あたしはそれを見て笑っていた。
「ほんなら、今から彼女とケリつけるから…今日は送ったれんけど―…」
バス停までついて来てくれた恭くん。
「うん、わかってる。待ってるから」
終わったらすぐに連絡するな!とあたしの頭をなでると、恭くんは駐車場に向かって行った。
バスに乗り込むあたし。
かばんから恭くんにもらった手紙を引っ張り出すと、何回も何回も繰り返して読んでいた。