カレシ

講義が終わったチャイムが聞こえた。

あたしはかばんとまきのことを思い出す。

「あっ!!講義室戻らないと!」

あたしはそう言うと、急いで立ち上がった。

「俺もついてくで」

恭くんも立ち上がると、二人で講義室に向かった。


二人で講義室に着くと、まきも恭くんの友達…大輔先輩もこっちを見ながら笑っていた。


「何ニヤついてんねん気持ち悪っ」

「うわ~お前俺にそんなこと言っていいの?感謝されたい気分なのに」

"ね?ゆいちゃん?"と大輔先輩があたしに言う。

「何やねん!お前ゆいちゃんに変なこと言うたやろ!?」

さあね~と答える大輔先輩。

あたしはそれを見て笑っていた。



「ほんなら、今から彼女とケリつけるから…今日は送ったれんけど―…」

バス停までついて来てくれた恭くん。

「うん、わかってる。待ってるから」

終わったらすぐに連絡するな!とあたしの頭をなでると、恭くんは駐車場に向かって行った。

バスに乗り込むあたし。

かばんから恭くんにもらった手紙を引っ張り出すと、何回も何回も繰り返して読んでいた。


< 167 / 177 >

この作品をシェア

pagetop