カレシ

うぅ…

あたしは視線を落とす。

「好、き…だよ?」

「だーめ、ちゃんと俺の顔見ながら言うてや…」

恭くんがあたしの顎を持ち上げて、視線がぶつかる。


多分今、顔が真っ赤だろーな…

そう思うと、さらに顔が熱くなる。


「なあ、言うてや?」

優しく問いかける恭くんに、
胸がキュンとなる。

「す…好きだよ…」

今度はちゃんと、目を合わせて。


でも、恭くんは意地悪だ。

ニヤっと笑うと

「誰を?」

なんて言ってくる。

再び視線を反らそうとするあたしの頬を両手で優しく包んで、恭くんはそれを許さない。

「なあ、ちゃんと言うてや?」


―…近いよ…っ


恭くんの息があたしにかかる。

恥ずかしくて泣きそうだ。
ドキドキが止まらなくて、目が潤んでくる。


「恭くんのこと…好きだよ…っ」

やっとそう言うと

「よく言えました。ご褒美やで…」

あたしの頬を包んだまま、恭くんがキスをくれた。

「んっふぅっ」

恭くんの舌があたしの口に入りこんでくる。

とっさに体を引こうとするあたしを、恭くんは逃がさない。

片手手をあたしの頭の後ろに置き変えて、抱きしめながら熱い舌を絡めてくる。

「ふっハァっ…んんっ」

少し口を離しても、またすぐ口を重ねてくる。

「ゆい…好きや…」

キスの合間に甘い言葉を囁かれる。

胸の中が熱くなり、嬉しくてあたしも恭くんを抱きしめ返した。

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