カレシ

どうやら無事にメールは届いたみたい。

ホッと肩をおろし、ケータイを見つめる。

今すぐにメールが返ってくるとは思ってなかったけど、実際返ってこないとやっぱり辛かった。

いつもならすぐに返って来たのに。


その後もずっとケータイを見つめていた。


すると気がつかないうちに
大学に着いていたみたいだ。

バスを降りると、昨日と同じ場所に向かう。


「ゆーいっ!おっはよぉ」

後ろから肩を叩かれ
振り向いてみるとまきだった。
「おはよっ!」

落ちこんでいるのを隠すように
無理矢理笑顔をつくる。

「身体測定とかめんどいよねー、体重とかまじ秘密事項だしっ」

「だよねー」


今日は誰とも話したくなかったけど、まきと話していたらなんとなく気分が落ちついた。

良くんのことは言わないと決めていたから都合がよかった。

昨日知り合ったばかりなのに
いきなりこんな話をされても
困らせるだけだろうから。

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