カレシ

☆ゆいへ
昨日帰ってから
いろいろ考えてみたけど
やっぱりゆいとはもう
終わりにしたい。
今日も会えない。ごめんな。
俺と別れてください。


心臓がギュッと握り潰されるんじゃないかと思った。

涙が溢れてきた…


「ゆい?ゆいっ!」

まきに呼ばれてハッとする。

「ゆいの番だよっ、てゆい!?何泣いてんの!?そんな嫌なの??大丈夫だから、手握っててあげるよ」

まきに手をひかれて、置いてある椅子に座る。
まきはほんとに手をにぎっていてくれる。

泣いちゃだめだ。だめ…

そう思っていたのに
涙はこぼれて止まらない。

「うっふぅっうぇーん!!」

もう我慢出来なかった。

まきは血液検査が嫌なのだと
勘違いして頭をなでてくれる。

それがまた泣けた。

検査をしてくれるおばさんも

「あらあら、大丈夫よ。もう終わるからね」

なんて言っている。


「ほらゆい、もう終わったよ!」

まきに手を握られたまま、椅子から離れてトボトボ歩き出す。

涙はまだ止まらなかった。

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