カレシ

3限目の講義の途中で、良くんから今から迎えに行くとメールが来た。

それを見て、ちょっとホッとする。でもなんか、ちょっとだけ体調が悪くなってきたような気がした。気のせいかな、と思いながら講義を受けた。


やっと3限が終わると、あたしは良くんに電話をかけた。


「もしもし、講義終わった?」

「うん!もう近く?」

「もーすぐ着くから校門で待ってて」

はーい、と電話を切るとまきを連れて校門まで歩いて行った。

「彼氏みるの超楽しみなんだけど!」

まきが隣でニヤついている。

「あははー」

あたしは力なく笑った。

やっぱり体調あんまり良くないみたい。歩いたら少し吐き気がしてきた。

「ゆいどーした?愛しのダーリンが迎えに来るのにテンション低いじゃん?」

まきがあたしの様子に気づく。

「んー…なんかちょっと気持ち悪いだけ」

大丈夫?と背中をさすってくれるまき。

その時は耐えられない程じゃなかったから

「へーきへーき」

と笑顔をつくった。


「あ!もしかしてあの車??」

まきが指差しながら言った。

「あっそうだ!ここだよー」

とあたしも車にむかって手をふる。

車はあたし達の前で止まると、良くんが窓からこっちを見ながら笑っていた。


二人で後部座席に乗りながら、お願いしまーすと声をそろえる。

すぐにまきが、なかなかかっこいいじゃん!と耳元で言ってきた。

うれしいのを隠すように全然っと手を顔の前でひらひらさせたけど、顔がニヤけるのがわかった。

けど、どーしよう。
車に揺られたのもあって、なんかだんだん本格的に吐き気がし出した。

コテっとまきの肩に頭を乗せる。

「ゆい、あんた大丈夫?」

まきはおとなしくなったあたしを心配してくれた。

んーっと答えながら目をつむる。

あー、ぐるぐるするぅ…

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