カレシ

良くんから見えなくなった瞬間、あたしはトイレにダッシュして何回も吐いてしまった。

最悪…

一回吐いたおかげで、少しは楽になり、水道で口をゆすぐとあたしは何食わぬ顔で席に戻る。

あたしが戻って来たのを見ると

「遅かったね、…吐いてただろ」

と良くんが言ってきた。


「…バレてた?」

気まずくなって苦笑いをする。

「今日はもう帰ろーぜ」

良くんは席をたつと、そそくさと行ってしまった。


…大丈夫?の一言もなかった。

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