カレシ

前に付き合ってた頃と、全然違う。

あたしの心に大きな不安が生まれる。

まただんだん気分が悪くなってきたのもあって家まで送ってもらう間、一言も話さなかった。


「じゃあね、ありがと」

そう言って車から降りると、あたしは家に駆け込み、また何回も吐いた。


少し楽になると、あたしは眠りについた。


起きた時は、夜中の1時をまわっていた。

まだちょっと調子が悪いけど、吐いてしまうくらいではなくなっていた。

ケータイを見る。

メールも電話も来ていなかった。


前は家に着いたら、必ず連絡くれてたのに…あたしが体調悪い時だって心配してメールくれてたのに…


明らかに前と違う良くんの態度にあたしの心は不安がつのる一方だった。

たまらなくなって良くんに電話をかける。

もう寝てるかもしれない、でも声が聞きたいよ…


「もしもし」

何回かのコールの後、良くんが電話に出た。

何やら後ろが騒がしかった。
外にいるみたい。

「良くん、出かけてるの?」

あたしが聞くと

「おー、ツレと遊んでる」

と答えた。


良くんは前滅多に友達とは遊ばない人だった。また不安になる。

「連絡くらい入れてよ」

そう言うと

「ごめん」

としか言わない。

体調悪そうだったから遠慮した、とか言い訳を言ってくれたほうがよかったのに。

なんだか電話がめんどくさいと思われているみたいで、あたしはじゃあ寝るね、と電話を切った。

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