カレシ
色んな気持ちが心の中でごちゃごちゃして、息が詰まる。
心をギュッと握られているようでいてもたってもいられなくなった。
…誰か、助けてよぉ
苦しい、辛い。
頭の中はそればっかり。
誰かにわかってほしい。
そう思うと、あたしはあゆみに電話をかけた。
「もしっゆいどした?」
あゆみの明るい声がした。
あゆみの声を聞いた途端、さっきまでは出なかった涙がドバッと溢れ出し、グッと言葉に詰まった。
何も話さないあたしに
「ゆい、何があった?気持ち落ちついたらゆっくりでいいから言ってみ?」
と優しく言葉をかけてくれる。
「あ゛っあ゛ゆみぃ~」
涙で声がかすれる。
ヒックとしゃくりあげながら、今までのことをあゆみに打ち明けた。
「そうかぁ…辛かったね…」
あゆみは小さい子をなだめるように、あたしを落ちつかせてくれた。
そのおかげで、しばらくは涙が止まらなかったあたしもだいぶ落ちついてしゃべれるようになった。
あたしの愚痴や、悲しみの言葉をあゆみはちゃんと聞いてくれて、それがとてもありがたくて、何回もごめんねっと謝った。
「ねぇゆい、やっぱりあたし
ゆいに話したいことあるんだ」
ふいにあゆみはあたしにそう告げた。
「今?」
そう聞くとあゆみは
「とりあえずゆいが心配だから
会って話しもしたいし、今度の土曜日会える?」
と答えた。
わかったと言った後ほんとにありがとうと伝え、あたし達は電話を切った。