カレシ
春が来た!
なんだかいつもよりも早く目が覚めたあたし。
いつも以上に気合いを入れてメイクする。最近は揺る巻きだった髪も、今日は盛り盛り!
プはぁ~と一服してから、バス停まで向かう。
昨日フラれたはずなのに、なんだか全然落ち込んでなかった。
むしろ不安になる要素がなくなってスッキリしていたくらい。
あたし、絶対幸せになってやるんだから!
そう意気込んで大学にむかった。
大学についていつも通りまきを探す。
「まきおっはー」
元気に言うと
「ゆい今日気合い入ってんねー、彼氏とデート?」
と言ってきた。
「あいつとは別れた!」
キッパリそう言うと
「えぇっどーいうこと??」
と驚いている。
まきに事情を説明して、でも全然落ち込んでないことを伝えた。
「おしっ!きっと吹っ切れたんだね!こうなったらゆいのために大学でイケメンでも探すかあ」
「大賛成ー!!」
こうしてあたしの心はちょっと前に進んだ。
昼休みになるとあたし達はいつも通りにカフェテリアに向かう。
イケメンはいないかと、辺りを見渡しながら。
「なかなかいないねーイケメン」
まきがつまらなさそうに言った。
「ねー」
と言いながらあたしもカフェテリアを見渡す。
「目の保養にもなんない」
あたしは頬づえをついた。
ごはんを食べ終わると、あたし達はカフェテリアを後にし、レポートを出すために学生課に向かった。
学生課も混んでいて、レポートを出すのにも並ばなくちゃいけなかった。
「もーまじ長あい」
早くしてよねっとまきがため息をついた、と思ったら!
「ちょっゆい!あの人みて!」
「えっ何何!?」
急いでまきの視線の先を見ると
「…いたぁ、、イケメン」
まさにドストライクの顔!
背はあまり高くないけど、ハーフなんじゃないかと思う整った顔つき、明るい髪をセットして、耳につけたピアスがキラッと輝いていた。
その人もこの列に並んでいるようで、一緒にいる友達とふざけあっていた。
「やーばい、笑顔かわいー!」
あたしはまきと目を合わせると
「やばいー!」
を連発していた。