カレシ

その後、最後の講義を受けるためにあたし達は宏紀くん達と別れて講義室に向かった。

この講義は色んな学部の色んな学年が一緒に受けているので、他の講義室よりも広い。

だからあたし達は講義を聞くつもりなんて全くなくて、さっきコンビニで買った雑誌を読むことにしていた。

真ん中よりも少し後ろの席にかばんを置いてあたしはトイレに行った。

そしてトイレから戻って講義室に入ろうとした瞬間!


パッと目に入ってきたのは、
あの人があたし達のちょっと後ろの席に友達と座っている姿だった!


一緒の講義があったなんて…
神様ありがとう!!!


あたしは胸高ぶらせて、急いでまきの所にかけ寄る。

「まき!まき!」

小さい声で、でも力強くまきに話しかける。

「なーにー?」

先に雑誌をめくり出していたまきはこっちを見ようともしない。

「ちょっとまき!あの人がいるんだってば!」

「え~どこに?」

あたしは何も言わずに、下の方で後ろを指差した。

まきはチラっと後ろみて

「やばっ!まじ神~!」

と大声で言った。

「ちょっと声大きいってばぁ」

焦ってそう言うと、バレないようにもう一回その人をみる。

あ~かっこよすぎるー!!

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