カレシ

「同じ講義あるとかまじ運命」

なんてくちばしってると

「じゃあこの講義室にいる人、みんな運命だね」

なんて突っ込まれてしまった。

その後講義が始まっても、あたしは雑誌になんか集中出来なくて、横に置いたかばんの中を探るふりをして、バレないように横目でその人をみていた。

そのうち、スクリーンで映像を見ることになり講義室の電気が暗くなった。

「最悪~暗すぎて雑誌読めないじゃん!」

まきは不満を口にしたけど、あたしは後ろを見ているのがバレにくくなると思って、ちょっとうれしかった。

でも。

後ろをチラっと見てみるとさっきまでいたその人はいなくなっていた。

あれ…

「まきーあの人いなぁい」

あたしがそう言うと、まきも振り返る。

「ほんとだ、講義室が暗くなったから、講義サボりに出て行ったのかな」

「かもー」

あたしは残念でしかたなかった。

結局その人もいなくなっちゃうし、講義室も暗いしであたしは居眠りをし出した。

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