カレシ

…えっ

次の瞬間、あたしは目を疑った。

あの人があたしの前でこっちを向いて止まってる。

ま、まさかね、誰か友達を…

そう思って視線を下に向けた。

「ねぇ、いきなりごめんけど」

えっ…

「よかったらメールして」

そう聞こえるとあたしの目の前に、スッと紙が出された。

上を向いてみると、その人があたしに向かって小さい紙を差し出している。

…う、そ、、

あたしがゆっくり紙を受けとると、その人はサッとすぐに出て行ってしまった。

…話しかけられた、、あの人に

嘘嘘嘘っ!!


パッとまきの方を見ると、まきもこっちを向きながら固まっていた。

「ゆい!何今の!!」

まきも興奮している。

「何渡されたの!?」

あっそうだった…
話しかけられたことで頭が真っ白になっていて、渡された紙のことを忘れていた。

パサッとその紙をひらくと

-よかったらメールしてね^^-

という文字と一緒に、アドレスと電話番号が書かれていた。




しばらく沈黙になってから

「よっ…よっしゃあ!!!!」

あたしは周りの目なんか全然気にせずに大声を出しながらガッツポーズを作った。


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