カレシ
あたしは自分の失態に冷や汗をかいていた。
「…うん?」
「友達とは何時にバイバイするん?」
「えーっと、友達は1時間半くらいたったら居酒屋でバイトだから」
「ほんならそんな時間かからんな!ゆいちゃん駅前までバスで行ってるんやろ?俺、近くにおるし、よかったら迎え行ったるよ」
え゛っ!!
そんなの無理無理!!
「や、でも先輩に悪いし…」
「別に悪ないよ、俺から言うてるんやし、ゆいちゃん嫌か?」
嫌か?とか嫌なわけないし…
でも緊張するしっ
先輩は緊張とかしないんかなっ
「嫌とかじゃないけど…」
「ならえーやん?それにほら、女の子が夜一人で歩いてたら危ないやん。ここは先輩の言うこと聞いときー?」
先輩がそんなこと言うから
「じゃあお願いします…」
とか言っちゃったじゃん!
関西人って口うまいって、ほんとだな~強引と言うかなんと言うか… 嫌じゃないんだけどねっ
「おっしゃ!任せとき!ちゃんと送り届けたるから、まあ俺んことは気にせんとゆっくりしとってくれてえーからな。帰る15分くらい前になったらメール入れてや」
「ん、わかった。ありがとう」
ほなな、と言って先輩は電話を切った。