カレシ

あたしは自分の失態に冷や汗をかいていた。

「…うん?」

「友達とは何時にバイバイするん?」

「えーっと、友達は1時間半くらいたったら居酒屋でバイトだから」

「ほんならそんな時間かからんな!ゆいちゃん駅前までバスで行ってるんやろ?俺、近くにおるし、よかったら迎え行ったるよ」

え゛っ!!
そんなの無理無理!!

「や、でも先輩に悪いし…」

「別に悪ないよ、俺から言うてるんやし、ゆいちゃん嫌か?」

嫌か?とか嫌なわけないし…
でも緊張するしっ
先輩は緊張とかしないんかなっ
「嫌とかじゃないけど…」

「ならえーやん?それにほら、女の子が夜一人で歩いてたら危ないやん。ここは先輩の言うこと聞いときー?」

先輩がそんなこと言うから

「じゃあお願いします…」

とか言っちゃったじゃん!

関西人って口うまいって、ほんとだな~強引と言うかなんと言うか… 嫌じゃないんだけどねっ

「おっしゃ!任せとき!ちゃんと送り届けたるから、まあ俺んことは気にせんとゆっくりしとってくれてえーからな。帰る15分くらい前になったらメール入れてや」

「ん、わかった。ありがとう」

ほなな、と言って先輩は電話を切った。
< 73 / 177 >

この作品をシェア

pagetop