カレシ

「えーと、ではみなさん。
これからのキャンパスライフ
楽しんでいってください」

学院長のこの一言を最後に
やっと長いオリエンテーションが終わった。

もうお昼かぁ
とりあえず今日はもう帰ろ…

そう思ってさっき配られた
プリントのバスの予定を見る。

おっと
次のバスまであと30分もある!

最悪…と思いながら
あたしはさっき友達になった
まきに話しかけた。

「ねーまきってバスで来てる?」

ケータイをいじっていたまきは
こっちを見ると

「まきさ、実はこの大学彼氏と一緒に入ったんだよね。学部は違うんだけど。普段はバスで行くつもりだけど、彼氏車持ってるから今日は送ってもらうんだ」

とちょっとハニカミながら答えた。

「そっかぁ~彼氏と一緒とかいいなっ、ラブラブじゃん!
あたしなんか今からバス出るまであと30分も一人で待たなきゃだよ~」

ずーんとした気分で言うと

「30分とかうざいね!よかったらまき達と一緒に帰る?」

と聞いてきた。

「えっ…でも二人の時間邪魔したらダメじゃんあたし」

とんでもないですっ
て答えるあたし。

「そんなの気にしなくていいよ!実は2人じゃないんだよね。彼氏の友達も同じ大学だから、そいつも一緒だし。ゆいは嫌?」

まじで!そんなの

「全っ然嫌じゃないです!
むしろお願いします!」


こうしてあたしは
まき達に送ってもらうことになった。

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