大嫌いは好きのうち
「美波」
…だから彰ちゃんはずるい。
私達、今バイバイしたじゃない。
「こっち、向いてくれよ…」
掠れた声で言う彰ちゃんに
私はとても切なくなった。
向いたら、きっと私。
彰ちゃんのこと諦められないよ?
「…美波」
もうやめてよ。
もう私の名前呼ばないでよ。
私はドアまでの短い距離を走った。
そしてドアに手をかけた時、
「…俺も!ずっと美波のことが好きだった」
私の手も足も止まり、
そして時間さえも止まった気がした。
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