浸透
夏空

蝉のなく声がうるさい。
教室の窓を開放してるのに暑い。汗が額を伝う。

「あつーい…」

あたしはそう呟きながら下敷きで風を仰いだ。

「コラ高梨!」

「あー…はいすみません」


あたしはしぶしぶ下敷きを机の上に置いた。

この暑さ、何とかならないのかな



「いちごいちごー。下敷きかして」

後ろから碧くんが話しかける。

あたしは笑顔で振り向いて、はいと言い下敷きを渡した。

触れた指が、あつい。



今日手を洗わない…なんて。



私と碧くんは付き合って一年になる。

みんなから凄い凄いといわれるほど長い付き合いなんだ。

みんな長く持って半年だから。




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