浸透


碧くんの二の腕にカッターを当てる。


あ その前に今のうちに縛っておかなきゃ。

そこら辺にあった、体育祭で使っただろう鉢巻き二枚で手首と足首をきつく縛った。

ごちゃごちゃうるさいからガムテープを口に張った。


そして寝転がった碧くんを見下ろした。


なんて無様なの?




左腕に跨がり、二の腕にカッターの刃を当ててみる。

そして碧くんの怯える表情をみた。


カッターを握る手に力を込める。
そして線を引く。


「ん"ん"ん"ーっ!」


「痛い?あたしの痛みはこんなもんじゃないよ」


裂いた皮膚からぷつぷつと血が吹き出てきた。


数十分経っただろう、血まみれで見にくいがしっかり刻み込まれた。

縦に、

いちご




出血が酷い。たかがカッターなのに。

ああ 憎しみを込めたからかな。



半袖だから肘上の"ご"しかみえないなぁ…
肘から手首にかけて刻めばよかったかも。




どっちにしろ、もうこれで決定。



「碧くんはあたしの所有物」





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