浸透
愛情表現
夜の8時、家に帰った。
それまで碧くんとお喋りしていた。
「おかえり、遅かったわね」
玄関までお母さんが来た。
「うん、ちょっと。…ねぇりんごは?」
「りんごちゃんは部屋に引きこもったままよ。
どうしたのかしら…
顔をあわせてもくれない」
過保護め。お前が甘やかすからあんなことするんだよ。
「りんごは大丈夫だよ!放課後友達とオケ行ったらしいから
疲れて寝ちゃったんじゃないかなっ?」
「あら、そうなの?じゃあ仕方ないわね…」
お母さんはそう言うとパタパタとリビングに行った。
あたしの分の晩御飯を用意するんだろう。
靴を脱ぎ揃え、2階へと向かった。