浸透

愛情表現



夜の8時、家に帰った。

それまで碧くんとお喋りしていた。


「おかえり、遅かったわね」

玄関までお母さんが来た。

「うん、ちょっと。…ねぇりんごは?」

「りんごちゃんは部屋に引きこもったままよ。
どうしたのかしら…
顔をあわせてもくれない」

過保護め。お前が甘やかすからあんなことするんだよ。

「りんごは大丈夫だよ!放課後友達とオケ行ったらしいから
疲れて寝ちゃったんじゃないかなっ?」

「あら、そうなの?じゃあ仕方ないわね…」


お母さんはそう言うとパタパタとリビングに行った。

あたしの分の晩御飯を用意するんだろう。


靴を脱ぎ揃え、2階へと向かった。




< 13 / 14 >

この作品をシェア

pagetop