浸透
あたしが怒られたのを知りながら、碧くんは下敷きを借りる。
もちろん怒られた。
ばかなの?ってからかおうとしたら
「これでいちごと一緒」
と笑っていわれた。
胸の奥が、あったかい…。
「碧くん…っ」
「こんな時くらい、あおいってよんでよ」
「あははっどんなとき〜?」
「あっ!」
碧くんが何かを思い出すかのように突然声をあげた。
「なに?」
「俺今日用事あるから一緒に帰れないわ
ごめんな。」
「わかったぁ…」
ちょっと、凄いさみしいな
「そんな顔すんなって。」
碧くんはそう言ってあたしの頭を優しく撫でた。
「コラお前ら!授業中に何やってんだ!」
先生の怒鳴り声が教室中に響き渡った。
みんながクスクス笑う。
あたしは顔を赤らめ、うつむいた。
恥ずかしい…
でも 頭をなでれたことが嬉しくて
碧くん…
、