浸透
碧くん家から近い駅に降りる。


相変わらず暑い。

外だとなおさら暑いなぁ…。



あたしはミニーちゃんのタオルで額の汗を拭き取りながら歩いた。

碧くん家まであとすこしっ♪




ノートでも見ようかな。

かばんから碧くんのノートを取り出して、パラパラページをめくる。

やっぱり字が少し汚い。


だけどそれもあたしの胸をくすぐる。


碧くん、どんだけあたしを夢中にさせるの?

なんて考えながら、緩む口元を必死におさえた。



そして気づいたら碧くん家に着いた。




インターホンを押す。




あたし達の仲は親公認だからインターホンなんていらないんだけど、一応。


…あれ、出ない。



じゃあポストにいれてこのまま帰ろうかな。


そう思ったとき、かすかに碧くんの笑い声が聞こえた。




なんだ、いるんじゃんっ

インターホン聞こえなかったの?

少し苛立ちを覚えた。




あたしは驚かしてやろうと思ってドアをゆっくり開き、中へはいった。



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