TO-KO
それから、トーコは召使いとして働くようになったが、目を見張る働きぶりでみんなを驚かせた。


「――――違う所<せかい>でも同じような仕事をしていたのか…?」


「……やっと帰って来ましたねっ…。アルフレッド様覚悟!!」

アルフレッドの頭にステルラの鉄拳が落ちてきた。ステルラの拳はかなり痛い。可愛い顔した悪魔だとアルフレッドは思っている。

「っ………、何をする!!ステルラ!!」

「あなたこそ、何処飛んでんですか、ばーか」

「おい!仮にも社長だぞ!!」

「貴方のどこに社長の威厳があるんですか。――――で、そんなことはさて置き、夜会のパートナーはいかがなさるんですか?」

アルフレッドはすっかり忘れていた。すぐさま窓の外を覗くと太陽はもう、一番高く昇りきってしまっていた。
時間がない。

「では今まで、ちょっかいを出してきた女性から選んではどうです?ジュリアとかリイザとかミシェルとかクリスティーナとかロゼッタとかミラとかクレアとかシンシアとかマリーとか沢山、いらっしゃったでしょう?」

「――――嫌みか…?」

「とんでもない。ただの意見です」

ステルラのにこりと笑った顔がどこか黒いのは気のせいじゃない絶対気のせいではない。女みたいな顔立ちなのに、性格がこんなんじゃ勿体なさすぎるとアルフレッドは頭を垂れた。

しかし、すぐに頭を上げて

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