TO-KO
クロノアは一回目を瞑って、またゆっくりと目を開けた。
「僕は時空の守人――。自由自在に世界を行き来できる。僕はよく、各世界の見回りをするんだ。だから、数多の世界の中で、君のいた世界へたどり着いたのは偶然だった。そして、偶然瞳子を見つけた。一瞬で、僕の意識は君に持って行かれた。瞳子は、あの世界でも美しく輝いていたんだよ?」
「そんなことないわ……」
「あるったら、あるの。――――そして、更に偶然が重なってしまった。君を見つけたあの日、あの時間に君の主が反魂の術を行ってしまった――――」
「…………」
辛いことを思い出させちゃったねとクロノアは眉を下げて悲しそうに笑った。クロノアに先にそんな顔をされてしまうと此方がどんな顔をしたらよいかわからなくなってしまう。
「――――助けなくちゃって思った。独りよがりな考えだって分かってたけど、僕なら出来るってそれもよく分かってたから……」