TO-KO
急に起こり始めた不可解な事件。
思うとトーコ、彼女が突如として現れてからだった。
関わっていないことを祈るほどマチルダは彼女を知らないし、好いてはいない。
いや、信用をしていない。
だから、マチルダは調べているのだ。北部で起きている襲撃事件のことを。
何か、繋がりがあるはずだ。
トーコはただ者じゃないとマチルダは確信めいていた。
―――きっと、彼女には何かある。
「――ソイツにその名前、『トーコ』じゃなかったか聞いてきて」
《聞いて下さい、でしょう!?全く、マナーがなってないわ!!》
「………るっさいな〜。聞いてクダサイ、でおっけー?」
《…完全に、あたしをナメてるわね、アンタ。―まぁ仕方ないわね、アルフレッドに免じて、もう一回聞いてくるわ。他にも仕事があるから、遅くなるわよ?》
「そこは妥協するよ」
《了解。―――ところで『トーコ』ってどなた??知り合い??》
「突然、現れた召使いだよ」
《召使い…?なぁに、そのミステリアスな展開!!》
いやーんだとか、色々電話の向こうで叫んでいるミシェルにマチルダは大きくため息を吐く。この場に彼がいたら、それこそナイフでメッタ刺しにしているところである。