TO-KO


彼の申し出はとてもありがたく、嬉しいのだが
如何せんこの屋敷を出たことがない瞳子は一人で行けるのか不安だった。しかもアルフレッドが許可を出してくれるのかもわからない。


「嬉しいです…。私を誘っていただけたことはとても、嬉しいのですけど…。でも―――」


でも、必ず行きますとは言い切れないとシオンに伝えた。
すると、シオンはそうですよねと悲しそうに笑った。

いつも温かい笑顔で和ませてくれるシオンにそういう顔をさせてしまった自分に嫌気が差した瞳子は、どうにかしてアルフレッドを説得しようと、心に決めたのだった。
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