BeacH (Eijis' black world *ZERO*)
‡Episode:1〔二人の青年 〕‡
【ワタル】
遡る事ちょうど6年前。
その日も渋谷は雨。
傘という名の花がセンター街を埋めつくしていた。
そんな、いかにも都心といった感じの大通りから一本はずれた路地裏を1人の青年がびしょ濡れで歩いていた。
「あちゃあ…適当に歩いとったら変なとこ来てしもたぁ…おまけにびしょ濡れやし…神様はなんて意地悪なヤツなんや!」
青年は道に迷って神様に八つ当たりしていた。
空を見た所、雨も止みそうにないので青年は喫茶店にでも入って一休みする事にした。
辺りを見渡すと右前方に古ぼけた喫茶店らしきものを見つけた。
店先には店名が書かれた看板があり、そこには『cafe カイト』と書いてあった。
「ラッキー!やっぱり神様はええヤツや♪」
などと調子のいいセリフを吐き捨て、青年はスキップしながら喫茶店に入った。
店に足を踏み入れた瞬間、青年は思った。
《ここ、雨漏りせぇへんよな…。》
店の中は外装通りのレトロな空間が広がっていて、青年がそんな失礼な事を思うのも無理なかった。
店内は薄暗く、客は1人もいなかった。いるのは22歳くらいの店主らしき男だけだった。
その日も渋谷は雨。
傘という名の花がセンター街を埋めつくしていた。
そんな、いかにも都心といった感じの大通りから一本はずれた路地裏を1人の青年がびしょ濡れで歩いていた。
「あちゃあ…適当に歩いとったら変なとこ来てしもたぁ…おまけにびしょ濡れやし…神様はなんて意地悪なヤツなんや!」
青年は道に迷って神様に八つ当たりしていた。
空を見た所、雨も止みそうにないので青年は喫茶店にでも入って一休みする事にした。
辺りを見渡すと右前方に古ぼけた喫茶店らしきものを見つけた。
店先には店名が書かれた看板があり、そこには『cafe カイト』と書いてあった。
「ラッキー!やっぱり神様はええヤツや♪」
などと調子のいいセリフを吐き捨て、青年はスキップしながら喫茶店に入った。
店に足を踏み入れた瞬間、青年は思った。
《ここ、雨漏りせぇへんよな…。》
店の中は外装通りのレトロな空間が広がっていて、青年がそんな失礼な事を思うのも無理なかった。
店内は薄暗く、客は1人もいなかった。いるのは22歳くらいの店主らしき男だけだった。