大切なもの
それであたしは。
変わってしまった。大切な大切な人の死で。
人間とゆうものは弱い。ものすごく…。
あたしはおかしくなってしまった。心の中で、“あたしなんか生まれてこなければよかったなのに” “死にたい” “先生と同じ場所に行きたい”“もう生きる意味がない”
死にたい。死にたい。死にたい。死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい。
あたしは施設の3階から飛び降りようとした。
でも。とめてくれた。施設が同じの。仲がよかった年上の男の子に。
ものすごく怒られた。頬をひっぱたかれた。「なにしてんだよ」と。それで目が覚めたんだと思う。
今思うと。男の子、池崎輝くん。輝君がいなかったらあたしはとっくに死んでいた。
輝君がいたから頑張れた。学校のことも、過去のことも。
でもけっきょく、輝君もいなくなった。あたしが10歳の時。輝君の両親がきて輝君は帰っちゃった。
あたしは大切な人を失う人。……なんでこんなつらい思いをしなきゃいけないの?
でも、もう、あたしは“大切な人”を作らない。
もう、一人で生きていく。
――――もう、信じない…。