新芽
「いいから帰って。私のプライベートジャマされたくないんですケド。」

「オレは姫君の事を愛してるのだから…。」

そう言って彼は私の手を取る。

「お前にはオレが必要なんだよ。」

「ごめん、私その前に颯太の事守衛としか見てないし、ドロドロした恋愛より、あっさりした恋愛の方が良いから。悪いけど颯太は私の眼中に無いから。口説いて堕としても私、引っ掛からないから。」

「失礼いたしました。」

彼は城へ戻る。どうやって抜け出して来たのか疑問だ。

カランカラン…
店の自動ドアを通ると鈴の音が音を奏でる。

「裕美。」

「あ、結衣歌!!」

カウンターにいたのはここの店の娘猪原 裕美。
黒い長髪がたなびく綺麗な友達。

「気まぐれにテレビ見てたらここ写ってたんだよ〜」

「そうそう、アレいきなりやって来てびっくりしちゃった!!」

突撃レポート的な?
大変だね。
ここも。

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