新芽
「今度…私の城でクラス皆とお食事会やるって。さすがに勘弁して欲しいよね〜。」

「ん〜。それってつまりは…正体がバレたくないッてコト?」

どうやら話が見えないらしい。

「…うん、そう。」

裕美はしばらく考え込んで…。

「いっそのこともう止めれば?」

「は?」

ワケがわからない。
何を止めればいいのか…。

「もう、正体隠すの止めたら?嫌でしょ?」

「うん。」

「だったらいいじゃん。」

黒い長い髪が彼女の動きに合わせて波立つ。

「わかったよ、頑張ってみる!!」

少し…自信を持つことが出来た。

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