新芽
当日…

「ヤベッこれ姫の城かよ!!」

「"姫"じゃなくて"姫様"よ!」

また出た。言い争い。
凄くうるさい…。

「ね、結衣歌!」

「んも〜、"姫"って言うよりも"姫様"の方が良いもんね!!」

「…あたしは…"姫"の方が良いよ」

姫様って言うと気色悪い。
オエッ

「えぇ〜それはナシだよ〜」

有なのっ
そう言い争っていればもうダイニングに着いていた。

「いらっしゃい」

目の前に立っていたのは…
クソオヤジだった。

「さぁさ、席に着いてくださいな。結衣歌も、ほら」

「失礼します」

見事クラス40人全員が座れた。

「実は…結衣歌なんじゃが、私の娘でのぅ…」

「ちょ、バカ言ってんじゃ…」

皆の視線が痛い。
驚いていた。

「え、姫様なの!?」

「ホントにそうなのか!?」

男女共々驚いている。

「ごめんね。」

素直に謝る事にした。
もうバレたものは仕方がないッ
結果だよ結果!!



…しばらくの沈黙…。



「〜ッ!!結衣歌〜ウチはッウチは…結衣歌のマブダチだから〜ッ」

「そうだよな。別にそれがどうしたって感じだべ?」

皆が友達って言ってくれた。
今度は私が目を丸くしてしまった。

「いいの…?私を怒らなくて…」

「へ?何言ってんの!?怒るワケないしッ」

「ありがとう…(泣)」

「じゃ、食べよっかッ!!」

小鳥の歌が外から聞こえた。
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