〜居場所をください〜私だけの光〜
―数学の授業


「先生!俺今日転入してきたばっかなので教科書ありませーん。」

『前の教科書と、この学校の教科書中身違うか?木田。』

「違いまーす!」

『しょうがないな。机をくっつけて、佐原に見せてもらえ。』

「はーい♪」

ガタッガタッ

明日香の机に木田の机がくっつく。

「教科書見せて♪」

バサッ

「勝手に見てください」

「感じ悪ぅ〜。会ったときはもっとおとなしかったのにね!」

「これ以上イジメグループに目をつけられたら、ほのかちゃんまで巻き込んじゃうから…………………」

「……………そんなに大切なん?」

「勿論。この学校で唯一の友達だもん。」

「違うでしょ!俺も友達だもん!」

「認めない。」

「なんで?」

「独り占めって言われたくないし、ほのかちゃんだって迷惑する。」

「ほのかちゃん、ほのかちゃん言ってるけど自分はいいの?」

「私はどうでもいい。ほのかちゃんのほうが大切だから……………」

「ふぅん。」

『じゃぁ、この問題は〜木田!お前に解いてもらおう!』

「ゲッ!先生、俺数学超苦手なんすよ☆」

『苦手は苦手のままにしない!早く前に出て問題を解いてくれ!』

「ふぇ〜い♪」

『あと一問残ってるな。じゃあ、問題解きたい人!』
「先生、わかりましぇん」
『頑張れ!』 

明日香は溜め息をついて手を挙げた。 

『それじゃあ佐原!』

ガタッ

明日香は席を立ち、前の黒板に移動した。

「おっ明日香!」

「煩い。ノートの端っこ見て!」

「えっ?あっ!」

「早く黒板に書き写して」

「サンキュ☆」

カッカッカッ


『よし!二人とも正解だ!木田、お前やればできるじゃないか♪』

「いゃ〜なんていうか今日はひらめいちゃって☆」

バカ、と明日香が呟いた事も知らず木田は教室内の笑いをとっていた。


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