dailicious stories
    * * *


いたいた!


図書館の自習室の端っこで、手招きしてるキミがいた。あたしは向かいの席に座ると、紙にペンを走らせた。



『麻呂屋行こっ』

『ゆま気早すぎ。お前まだ来たばっかじゃん』

『んぢゃ20分勉強したらねっ』

『おけ。』

さっきからやっているのは、いわゆる筆談。
あたしと淳(ジュン)のこの習慣は、もう3年目に入った。


中二の春。
同じ中学だったころから、幼なじみだったし、この図書館で一緒に勉強していて。高校が別れちゃて全然会えなくなっても、この習慣だけは変わらなかった。

淳のことが小さい頃から、好きなあたしにとっては、この習慣はなくてはならないのです。


そして更にこの時期には、もう一つの習慣。

おいしいおいしい習慣。



「おばちゃんいつものねっ」

「俺もね」

「あんたたちそんな毎日食べてお腹壊さないでよ」

「へへっ」


図書館近くの小さなカフェ、麻呂屋のソフトクリーム!


「おいしー!」

……のは良いんだけど。
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