dailicious stories
──蝉がミンミン鳴いていた


着ていたお気に入りの、キティーちゃんのタンクトップは、汗でくたくたになっていた



足下には
白いアイスに
茶色のコーンに
黒いアリ



目には涙浮かんでた



足下ただじっと見つめて、泣き出しそうなあたしに


『あげる』


アイスを持った片手差し出して、そう言ってくれた。






淳──


あたしあのとき、恋に落ちたんだよ



あんな小さな…幼稚園のころから淳のこと好きなのに……


あの頃から何の進歩もないことを、おばちゃんの一言が示す

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