dailicious stories
「ゆま」


ほんの数秒だけど、今のあたしには永久に感じられた沈黙のあと



「アイス溶けてる」

あたしの耳に届いた淳の声。
一気に顔が熱くなった。
だって淳の顔はいつもの笑顔じゃない


ちょっと口角あげてこっち見据えて──





あたしの気持ち、透けて見えてるみたい



あたしの"好き"を知ってる上で。淳の返事は的外れ。


───『ごめん』



淳の顔はそう言ってる。

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