dailicious stories
「あは。ほんとだまた溶け始めてるー。ぼーっとしてるねあたし。暑いしね」


早口にそう言うけど
平然装うけど

やばい泣きそう


ふられたんだ
遠まわしにふられたんだ



淳優しいから──

あたしが傷つかないように、さりげなく断ったんだ。




「早く食べちゃえよ」

「うん」


泣きたくないよ

だって悔やんでないから…


フられたって泣きたくない……






アイス口に含みながらも、味なんてしない。
冷たさだけが、あたしの口に広がってく。


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