dailicious stories
「これで充分」

唇はなした後、あのあたしの、キュンとしちゃう笑顔で、淳はそう言ってくれた。



「ちょっゆま何泣いてんの!」

「だってー!!!」


やっぱり淳が優しくて。

何より、あたしの気持ち通じたことが嬉しくて。

「フられたって思っだぁ゙〜」

「何で」

「てゆーかまさかあんな言葉で告白だって気づかれるっでおぼわながっだー゙」

「うん。あの告白わかるのたぶん俺だけ」

「う〜」

「ゆまはちっちゃいころから泣き虫だな」

「そんなことなぃい゙」

言いながらも涙声なあたし


「ほら俺がはじめてアイスあげたときもゆま泣いてた」

「…覚えでるの?」

「決まってんだろ。たった12年前のことだろが」

ちょっと顔赤くして淳は言った


──蝉がミンミン鳴いていた
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